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2021年1月23日
まだそれ程飛散してはいない様ですが、そろそろ花粉症の症状が出始めている人が増えつつある様です。
ウェザーニュースが19日(火)~20日(水)にかけて、北海道と沖縄をのぞく地域に対して花粉を感じているかの調査を行いました。約6700件の回答を得られ、「ちょっと感じる」と「けっこう感じる」を合わせた割合は、全体の26%に達しました。
回答のうち、「花粉症ではない」をのぞいた割合では38%、最も多い関東は46%と半数近くの方がすでに花粉を感じているという結果になっています。
今年のスギ・ヒノキの花粉は飛散量が少なかった2020年と比べると北海道と東北北部の一部を除いたほとんどの地域で多くなる予想で、2020年に比べて飛散量が2倍を大きく上回る地域もあります。全国平均では2020年比で160%程度になる見込みです。
去年より飛散量が増え、花粉症の症状も悪化することが予想されます。
一時的・局地的に大量の花粉 が飛散することもあるので、例年ひどい方は特に早めにご相談くださいね。
2021年1月14日
ビタミンDは、先に述べた骨に対する作用の他にも、免疫を高める作用、抗ウイルス、抗炎症作用があります。
すでにインフルエンザへの効果は報告されていましたが、さらにCOVID-19の感染予防および重症化予防との関連性も指摘され始め、すでに、COVID-19の罹患率や死亡率、重症度と、ビタミンDとの関係が報告されています。
日本生活予防習慣病予防協会のHPに、抗ウイルス作用に加え、COVID-19の感染予防、軽症者の重症化予防に関するビタミンDのエビデンスが挙げてあったので以下をご覧ください。
ビタミンDが呼吸器感染症を予防
1. ビタミンD不足は呼吸器感染症のリスク
ビタミンDは、ウイルス性呼吸器感染症に対する自然免疫系の維持に必須です。これまでの多くの研究により、ビタミンDが不足/欠乏していると、急性ウイルス性呼吸器感染症や市中肺炎のリスクが上昇すると報告されています。
2. ビタミンDサプリメントとウイルス性呼吸器感染症
ビタミンDサプリメントが、実際にウイルス性呼吸器感染症の予防に有効という研究も報告されています。例えば米国では、長期療養施設の高齢者に、高用量のビタミンDを投与した結果、急性呼吸器感染症の発症が予防できました。また、乳児において、ビタミンDサプリメントによる肺炎(下気道炎)の予防効果も示されています。
3. インフルエンザを予防するビタミンDサプリメント
さらに、複数の臨床研究により、ビタミンDサプリメントの季節性インフルエンザ予防効果が示されています。
まず、国内からは、東京慈恵会医科大学による臨床試験が報告されています。この研究では、学童を対象に1日あたり1,200IU(30㎍;マイクログラム)のビタミンDサプリメント投与することによって、季節性インフルエンザ(A型)の発症リスクが42%減少しました。
また、海外での多施設共同ランダム化比較試験では、乳児に1,200IU(30㎍)のビタミンDが投与され、インフルエンザ症状からの早期の回復、ウイルス量の速やかな減少といった働きが示されました。さらに、1,300人を対象にした解析では、ビタミンDサプリメント投与により、インフルエンザを含むウイルス性呼吸器感染リスクが19%有意に減少したということです。
COVID-19とビタミンD
1. COVID-19の特徴とビタミンD
COVID-19では、炎症反応が亢進し、肺炎や急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、心不全、敗血症のリスクが高くなります。そして、心血管疾患や慢性呼吸器疾患、糖尿病、高血圧といった基礎疾患を有する人で、高い死亡率が示されています。また、これらの生活習慣病患者では、ビタミンDの不足や欠乏が多いこともわかっています。
2. ビタミンD低値はCOVID-19予後不良
さきほどビタミンD低値は、インフルエンザなどの感染リスクを高めると書きましたが、COVID-19の場合でも例外ではなく、やはり感染リスクや重症化リスクを高めます。
その報告として、まず欧州20カ国において、ビタミンD値と、COVID-19との関連を調べた研究があり、血中のビタミンD値が低いと、COVID-19の罹患・死亡率が高い、という相関が見出されました。特に、スペインやイタリア、スイスでは、高齢者においてビタミンD低値が顕著だったとのことです。
米国では、ビタミンD欠乏が認められたCOVID-19患者に、高用量のビタミンDを投与したところ、ビタミンD値の正常化、入院期間の短縮、必要酸素量の減少、炎症の改善といった臨床的な治療効果が報告されています。
また、英国からの報告では、COVID-19感染リスクについて、顕著な人種差が見出されています。具体的には、白人に比べて、黒人では感染リスクが5.32倍、南アジア人では2.65倍であったとのこと。そして別の研究では、白人に比べて黒人やアジア人は、ビタミンDレベルが低いことが知られています。
加えて、英国での別の研究によると、ビタミンD欠乏症では、COVID-19の重症化リスクが高いことが示されました。
さらに、COVID-19の予後不良群では、ビタミンDが低値であることもわかっています。具体的には、1,368人の新型コロナウイルス感染症患者を対象に解析が行われた結果、ビタミンD値は、予後良好の患者(669人)に比べて、予後不良の患者(634人)で低値でした。
このようなエビデンスの蓄積を基に、COVID-19対策として、公的機関がビタミンD摂取を推奨する流れも既に起こり始めています。例えば英国のNHS(国民保健サービス)では、COVID-19に関する啓発の中で、「外出抑制に伴う皮膚でのビタミンD合成低下に対する対策として、ビタミンDサプリメントの利用も考慮すべき」としています。
3. ウイルスの受容体とビタミンDの働き
では、ビタミンDの不足や欠乏が、なぜ、COVID-19の重症化や予後不良と関連するのでしょうか。その答を知るために、現在、COVID-19との関連が着目され研究が進められている、RAS(レニン-アンジオテンシン系)について、まず解説します。
新型コロナウイルス感染症の原因となるウイルス(SARS-CoV-2)は、気道の細胞表面に存在するアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)に結合し、感染が成立します。ACE2は粘膜に発現しており、臓器・組織では、心臓、腎臓、腸、血管内皮細胞の他、肺(肺胞Ⅱ型上皮細胞とマクロファージ)に存在します。
そのACE2は、炎症や血管収縮を抑える働きがあります。ところが、SARS-CoV-2がACE2と結合して細胞内に侵入する際、ACE2の働きが抑制されてしまいます。つまり、SARS-CoV-2感染により生じるACE2の減少が、肺や心血管系での病態の悪化に関連し、COVID-19が重症化する機序の一つと考えられています。
4. ビタミンDによるCOVID-19重症化抑制メカニズム
さて、それでは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)とレニン-アンジオテンシン系(RAS)の関係に、ビタミンDがどのように関与するのかという話に進めます。実は、ビタミンDはRASの重要な調節因子であって、COVID-19の重症化リスク低減において、次のような働きをします。
まず、SARS-CoV-2がACE2に結合し、ACE2の働きが抑えられます。すると炎症が惹起されて肺血管攣縮などが生じ、COVID-19が重症化します。
これに対してビタミンDは、RASにおいてACE2発現を誘導し、ACEを介したアンジオテンシンⅡの産生を抑制することで、肺血管攣縮リスクを低下させます。さらにビタミンDは、アンジオテンシンの上流に位置するレニンにも働き、その活性を阻害することで、アンジオテンシンIIの産生をさらに減少させます。
つまり、ビタミンDは、新型コロナウイルスによるACE2活性の低下・ACE活性の上昇・アンジオテンシンII産生量の増加といった作用を抑えることで、肺血管攣縮を抑制し、COVID-19の重症化リスクを低下させる、というメカニズムです。
2021年1月14日
ビタミンDは、油に溶ける脂溶性ビタミンのひとつです。
食べ物からとるほかに、日光を浴びると私たちの体内でもある程度つくり出せるビタミンです。
ビタミンDが不足すると骨や歯の形成もうまくいかなくなり、赤ちゃんや子どもではくる病、成人では骨軟化症を引きおこすといわれています。
近年、母乳中のビタミンD不足により赤ちゃんのくる病の増加が報告されるようになっています。
妊娠中のお母さんは、赤ちゃんの骨の形成が始まる在胎33週ごろから、授乳中のお母さんは授乳期を通じて魚などを食べることをお勧めします。
食生活の変化と、極度に紫外線を嫌う傾向の二つが重なる事で、母乳中のビタミンD含有量を低下させていると考えられてます。
食生活の改善と適度の日光浴によって予防は十分可能であり、母乳育児を中断する必要はありません。
ビタミンDは主に脂身の多い魚やきのこ類、卵黄や乳製品などに含まれています。
魚介類には、塩さけ100g中に23μg、しらす干し100g中に46μgとたっぷり含まれています。
きのこ類の中でははきくらげの他に、まいたけ、エリンギが特に多くビタミンDを含んでいます。
日光浴は、住んでいる地域や季節、肌の色によって多少異なりますが、手のひら、二の腕に10~15分程度でよく、外出がなかなかできない1人目のお子さんの場合などは、ベランダに洗濯物を干すときに半袖になる程度でよいそうです。
日光浴に必要な時間は、その時は赤ちゃんも一緒にその程度の日光浴を行い、長い時間の外出のさいには日焼け止めを用いても構いません。
2021年1月12日
あけましておめでとうございます。
昨年は新型コロナウイルス感染症の流行に振り回された1年であったと思います。
今年になり、まだまだ落ち着きそうにはありませんが、春にはワクチン接種も始まるので期待したいところですね。
不安な点などありましたら、いつでもお問い合わせくださいね。
厚生労働省発表の2020年12月時点での「新型コロナウイルス感染症のいま」と題した、わかりやすくまとめたものがありましたので、是非ご覧ください。
2020年12月30日
今年も残すところあと2日となりました。今年は新型コロナ感染症(COVID19)に
振り回された一年でしたね。
感染性の強い変異株が世界に拡大しつつあるなど、まだまだ落ち着く様子がなく、
ワクチン接種に期待したいと思います。
お子さんも親御さんも色々な我慢を強いられているかと思いますが、少しでも状況が改善し、皆様にとって来年がより良い年となりますようお祈りいたします。
来年もよろしくお願いいたします。
国立感染症研究所の週報で、10ページ目以降に各感染症の過去10年との比較がありますので、添付します。
様々な感染症で、今年は極端に発生が少なかった様子が見て取れます。
また、日本感染症学会から12月28日付けでCOVID19ワクチンに関する提言が出ましたので、こちらも添付します。
2020年12月17日
子ども医療電話相談事業(#8000 事業)における 小児の新型コロナウイルス感染症に係る Q&A
参考になりますので、以下をご覧ください。
2020年12月15日
2021年春の花粉の飛散は以下のように予測されている様です。
花粉症の方には辛い春になってしまいそうでしょうか。
毎年のように花粉症の内服や点鼻を必要とする方は、症状がひどくなる前に、 早めの治療開始をおすすめします。
2020年12月13日
HPVワクチンは、子宮頚がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)への感染を防ぐワクチンです。
2013年4月に定期接種になりましたが、接種後に体調不良を訴える声が相次ぎ、厚労省は同年6月に積極的に推奨するのを差し控える様に通知を出しました。
そのため現在は接種率が1%未満に落ち込んでいるそうです。
しかし、日本では毎年1.1万人の女性が子宮頚がんになり、約2800人の女性が亡くなっています。
定期接種の対象年齢の方にはできれば検討をお願いしたいです。
2020年11月30日
最近、柿をたくさんいただく機会に恵まれ、そのまま食べてもとても美味しかったのですが、生食以外に何かレシピはないか調べて色々作ってみました。
柿は栄養の宝庫。特にビタミンCやβーカロテンなどの強い抗酸化作用を持つビタミンが豊富です。
★ビタミンC★
柿は、1個で100mgほどの豊富なビタミンCがあります。
これは大人の一日に推奨される量と同じです。
ビタミンCは強い抗酸化作用を持つのでシミ・そばかす・しわ・たるみなどの美肌対策や、疲労回復にも期待ができると言われています。
★βーカロテン★
βーカロテンは体に入るとビタミンAに変換され、活性酸素を除去しながら身体の抵抗力を高めて元気をつけ、病気を早く回復させてくれます。
風邪の予防はもちろん、老化・ガン予防にも効果が期待されています。
β-カロテンは、ビタミンCと同じく強い抗酸化作用を持つ成分で、ビタミンCと同時に摂取することで相乗作用が起こるため肌荒れなどに効果的です。
特に干し柿には、生柿と比較して約2倍のβ-カロテンを含んでおり、効率よく摂取することが出来ます。
★ペクチン★
柿に含まれるペクチンはそのほとんどが水溶性です。
人の消化酵素では分解されないので食物繊維として機能し、整腸作用やコレステロール低下作用などがあります。
干し柿はペクチンの含有量が非常に豊富なため便秘予防に効果的です。
柿と牛乳を2対1の割合でミキサーでどろどろにし、冷やし固めると柿プリンができます。 ペクチンが多いからできるプリンです。
★タンニン★
柿が渋いのは、ポリフェノールの一種の渋味成分のタンニンという物質があるからです。甘柿や渋抜きした柿には、渋みを感じることはなくてもタンニンが含まれています。
タンニンは血液中にある毒素や悪玉コレステロールを減らし、血液の流れをよくする働きがあるため、体全体の新陳代謝が良くなると考えられています。
★カリウム★
カリウムを多く含むので「高血圧」や「むくみ」に効果的です。
体内の血液に含まれるナトリウムを、尿と一緒に排出する作用があるからです。
足がつる・疲れやすい・高血圧・不整脈・尿が出にくいこのような状態の時もカリウム不足があるかもしれません。
カリウムの成人摂取量の目安は、男性が2500mg、女性が2000mg。
柿100gに170mg、干し柿だと670mgもあります。
先程ペクチンのところで出てきた、柿プリンのレシピが載っていたので、早速作ってみました。ペクチンが豊富なので、牛乳と混ぜるだけで簡単に固まりました。ジャムもそれほど煮詰めなくてもすぐにジャム状になりましたよ。是非試してみてください。
他にも生ハムと合うと聞いたので生ハムとモッツァレラチーズなどと合わせてオートブルにしてみました。チーズはクリームチーズでもいいし、チーズは無くても美味しいです。
◇材料◇ 2個分(150mlの容器)
- 柿(皮なし正味160g)1個
- 牛乳80ml
- 砂糖 大さじ1/2
- バニラエッセンス3滴
◇作り方◇
1.柿のヘタを取り、皮を剥き、一口大に切り分けます。
2.牛乳、砂糖をミキサーに入れ、滑らかになるまで撹拌します。
3.バニラエッセンスを垂らし、ミキサーを2秒回して軽く混ぜます。
4.容器に入れ、冷蔵庫に3時間以上入れて冷やし固めます
※写真は、柿プリンと、ドライイチジクを入れて焼いたバンに、手作りのゆずジャムと柿のジャムを添えました。